「投票率向上について」令和1年6月議会 総合政策委員会 議案外質問

◆竹腰連委員 日本共産党の竹腰連です。

 私からは、投票率向上について質問させていただきます。

 7月には参議院議員選挙、8月には知事選挙と、今後もさまざまな選挙が行われる予定でございます。日本国憲法第15条でも、普通選挙権が保障されており、選挙権の確保とあわせて、投票率を向上するという取り組みは大切な取り組みだと思いますので、今回質問させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 早速ですが、直近の統一地方選挙、さいたま市議会議員選挙の投票率について伺います。まず、さいたま市議会議員選挙の全体の投票率と行政区ごとの投票率を教えてください。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 竹腰連委員の御質問の1、投票率向上について、(1)統一地方選の投票率についてお答えいたします。

 平成31年4月7日執行のさいたま市議会議員一般選挙の市全体の投票率は38.16%で、前回、平成27年の40.39%、また前々回、平成23年の43.60%を下回る結果となっており、他の選挙と同様に低下傾向になっています。

 次に、行政区ごとの投票率でございますが、今回の市議会議員の選挙を区別に申し上げますと、西区が40.66%、北区が38.04%、大宮区が39.09%、見沼区が39.25%、中央区が40.39%、桜区が36.58%、浦和区が40.19%、南区が37.37%、緑区が36.02%、岩槻区が33.88%でございました。10区のうち西区が40.66%と最も高く、岩槻区が33.88%と最も低いという状況でございました。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。

 全体の投票率は38.16%と過去最低となってしまったと思います。投票率低下に歯どめがかからない状況ですが、なぜ投票率低下に歯どめがかかっていないのかということについて、まず見解を1点お伺いしたいと思います。

 また、行政区ごとに見ると、先ほどおっしゃっていただきましたけれども、西区が40.66%で岩槻区が33.88%で西区が最高で岩槻区が最低となっています。その差を比べると6.78%となっていますが、どうしてこれほど差が出たのか、その違いとか何か工夫をしているのであれば、ぜひ教えてください。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 投票率の低下傾向につきましては、本市だけでなく全国的に見られる傾向でございます。そうしたことから、私どもといたしましては、引き続き多くの市民の皆様に投票していただけるよう取り組んでまいりますとともに、日ごろから参政権を持っているということの意味や、その重要性を伝えていく取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 次に、行政区ごとの差が出たことにつきましては、投票率が低かった区のうち、緑区と岩槻区につきましては、同日執行の埼玉県議会議員選挙が無投票であったことも影響したのではないかと推察しておりますが、個別の要因については特定が困難でございます。また、逆に、前回よりも西区と南区では投票率が若干アップしております。これも県議会議員選挙の無投票であったものが投票になった等の影響が考えられると思います。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。

 それでは、2つ目の若い世代の投票率についてお伺いします。

 若い世代の投票率について伺いたいのですけれども、今さまざまな媒体で、若者の投票率低下が取り上げられていますけれども、同世代としても本当に悩ましい問題だと思っています。

 まず確認したいのは、世代別の投票率を、今回の市議会議員選挙だけの結果で結構ですので、ぜひ教えてください。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 次に、2、若い世代の投票率について、(1)若い世代の投票率向上の取り組みとその効果についてお答えいたします。

 この平成31年4月7日執行のさいたま市議会議員一般選挙の年代別投票率につきましては、まず18歳、19歳が32.21%、20歳代が20.12%、30歳代が27.92%、40歳代が33.79%、50歳代が40.42%、60歳代が50.49%、70歳代が57.35%、80歳以上が41.28%となっておりまして、70歳代が最も高く、20歳代が最も低い結果となっております。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。

 特に20歳代、そして30歳代の投票率が低いということがわかりましたけれども、数字で見ると本当に看過できないような投票率だと思います。何か行政として工夫しているのか教えてください。また、その工夫でどれだけの効果があったのか、把握していれば教えてください。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 投票率が比較的低い若い世代に対する啓発は、選挙管理委員会といたしましても重点的に行っているところでございます。模擬投票体験を中心とした学校への出前講座の実施や、中学3年生への選挙副読本の配布等、未来の有権者を対象とした啓発を継続的に実施してまいりますとともに、高校生との意見交換会や、また大学生との共同による選挙啓発動画の作製など、若年層の有権者に向けた啓発を行ってまいりました。

 啓発事業の効果の把握につきましては、当委員会が市長選挙及び市議会議員一般選挙の直後に実施しております市民意識調査におきまして、選挙管理委員会及び明るい選挙推進協議会が実施している啓発事業の認知度についての調査を行い、そうした結果を啓発事業に取り組む上での参考としております。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。

 若い世代が中に入って投票率を上げるという工夫をしているというのは、本当に重要なことだと思います。しかし、残念ながら投票率を見てしまうと、まだまだ改善が必要だということがあると思います。そこで、新しい工夫についてなんですけれども、ぜひ検討していただきたいなということで、私から何点か提案させていただきたいと思います。

 まず、若い世代に対してパブリックコメントで、どのようにすれば投票に行きたくなるかというのをぜひ調査していただきたいと思います。この前、意識調査をしているといったことですけれども、もっと大きな広い範囲でパブリックコメントなんかを検討していないかどうかということ。あと、今、さいたま市では大学コンソーシアムさいたまという取り組みの中で、政策提言フォーラムというものが行われています。基本的にはまちづくりが中身となっていると思うのですけれども、その中で、投票率を上げる取り組みをぜひテーマにしてはどうかと、もちろんそれではできないというのであれば、それに準じるような提言フォーラムみたいな形でやってはどうかと思います。

 というのも、私が学生時代に東京の学生コンソーシアムに出ていて、そのときに実は各校がどうやったら投票率を上げられるかというような提案を結構していて、その中で実際に行われた内容も幾つかありました。例えば、選挙に行った投票券を見せたら割り引いてもらえるとか、あと投票に行ったという写真を撮ってSNSで拡散するというようなことも行っています。こういうことも含めて、ぜひ学生とか若い世代が提案するような取り組みをしていただきたいなと思っています。そういったことを含めて、今、新しい工夫を検討しているのかお伺いします。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] (2)新しい工夫についてお答えいたします。

 今回の本年の4月の統一地方選挙における啓発事業では、新しい取り組みといたしまして、選挙を周知するための啓発ポスターと自治会回覧用チラシのデザインを市立浦和高校の美術部に担当していただき、また、投票呼びかけのアナウンスの収録も同校生徒に参加していただくといったことを通じまして、若い方に啓発事業に参加していただくという試みを行ったところでございます。若い世代の方が選挙啓発を通じて政治や選挙に興味を抱き、その結果、社会の課題解決に向けた一歩を踏み出す一助になれば、副次的ではありますが、社会的な意義もあると考えております。

 また、若い方々からの意見の聴取につきましては、平成30年度に市内大学の学生の方々に選挙出前講座に関する意見を聴取いたしまして、その意見を参考に、講座内容の改訂を行ったところでございます。

 また、今年度におきましては、年度の前半に執行が予定されております選挙におきまして、横断幕や啓発ポスターなどを、若い有権者が多く利用する学校、自動車教習所、子育て支援センターといった施設に掲出いたしますとともに、ツイッター、フェイスブックといったSNSを活用し、若い有権者に向け効果的な投票参加を呼びかけてまいります。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。

 やはり投票率が低い世代というのは、私と同世代なので、行け、行けと上から言われるとやはり行きたくなくなるという気持ちも何か率直に理解できるような気がします。素直に同じ目線に立って、お互いにリスペクトし合いながら工夫して、ぜひ投票率を上げる取り組みを今後も行っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 最後に、3番目に移りたいと思います。投票機会の拡大への取り組みについて伺います。

 若い世代は投票に行かないというのが問題点として挙げられますが、投票に行かない、行きたいのに行けない人たちへの投票機会を確保することも重要だと思います。例えば、高齢者、障害を持たれている方、施設や病院に入所されている方などの投票機会を確保する取り組みとして、前回、鳥海議員がこの問題を取り上げて、指定施設における不在者投票制度のことを質問していました。その中で、指定施設は102カ所あると回答していましたが、現在も変わらないのか、数はふえたのかどうかというのと、もう一つ、合わせて、期日前投票所は前回何カ所あったのか、この2点をお伺いします。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 病院、老人ホームなど、いわゆる入院中、入所中の方に不在者投票をしていただけるよう、都道府県選挙管理委員会が指定した施設の数でございますが、この統一地方選の際には市内で104カ所でございまして、2月の時点よりも2施設の増加となっております。

 次に、期日前投票所につきましては、現在10区の区役所に、10区ですから10カ所、それからそれぞれの区に、臨時期日前投票所をもう1カ所ずつの10カ所、そして増設臨時期日前投票所といたしまして、大型商業施設や駅前のコミュニティセンターにおきまして、10区中8区で実施しておりますので、合計28カ所でございます。

 

◆竹腰連委員 指定施設がふえたということは、本当にうれしいことだと思います。今後もふやす予定があるのかというのと、また期日前投票所なのですけれども、今後またふやしていく予定があるのか、この2点をお願いします。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 病院、老人ホーム等の指定施設につきましては、特別養護老人ホームで50床以上の入所定員の施設という要件がございます。こうした要件をクリアする施設ができれば、選挙管理委員会としてもお声がけして、県の指定を受けるように働きかけていただきたいと考えております。

 また、期日前投票所につきましては、本市における期日前投票所の利用者の増加傾向が今後も継続することが予想されますので、選挙人の利便性の向上のため、引き続き駅周辺や商業施設など日常的に人が集まりやすい場所への増設を検討してまいりたいと考えております。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。ぜひふやしていってください。よろしくお願いします。

 最後に、移動投票所についてお伺いしたいと思います。

 近くに投票所があればぜひ行きたいと思う方でも、例えば団地に住む高齢者の方は高層階に住んでいて、何とか1階まではおりられても、そこから投票所まで距離があると諦めてしまうというふうに、私も実際に声をかけられています。そういう現実はどこの行政区でもあるとは思うのですけれども、だからこそ、投票所をふやし機会を確保することは重要だと思っています。

 また、提案というか検討していただきたいことがあります。こちらなのですけれども、これは自動車を用いた移動投票所の取り組みです。今、島根県の浜田市で行われている取り組みで、その他でもたくさん行われている取り組みなのですけれども、ハイエースを使って期日前投票所を開設して、現状、これ自体は山間地に住んでいて投票所まで距離があり、その交通手段の確保が難しい方に投票機会を確保する取り組みになっているのですけれども、さいたま市でも、団地を回るとかいろいろな場所でこのように移動して投票の機会を確保するということは十分、私は効果があると思うのです。費用は大体40万円くらいだというように聞いていますけれども、これを高いと見るか低いと見るかはそれぞれだと思うのですが、こういった移動投票所を今後検討する余地があるかというのをぜひ教えてください。

 

◎選挙管理委員会事務局副理事[調整担当] 御質問の3、投票機会拡大の取り組みについて、(2)移動投票所についてお答えいたします。

 投票しづらくなった高齢者の方々の投票機会を確保することは、選挙管理委員会といたしましては重大な課題であることと認識しております。投票環境向上のための取り組みの一つとして、自動車を利用した移動期日前投票所の開設などの事例がございますが、これらの事例につきましては、主に選挙人の減少により投票所の統廃合が進んだ山間地域での事例であり、そのまま本市において当てはまるものではないものと考えております。

 投票環境の向上につきましては、引き続き期日前投票所の増設などの取り組みを進めますとともに、他の自治体の検討状況も参考に、区の選挙管理委員会と連携して、有権者の投票機会の確保に努めてまいりたいと考えております。

 

◆竹腰連委員 ありがとうございます。

 さいたま市で、特に都市部でぜひ先行してやってみるというのも、本当に全ての皆さんが投票行ける機会が確保されるというのは大切なことだと思うので、ぜひ検討していただければと思います。よろしくお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

○玉井哲夫委員長 以上で、竹腰連委員の質問を終了いたします。

 これで、議案外質問を終結いたします。

 執行部の方々は御退席いただいて結構です。